幾何学模様他、時刻

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馬に乗るときは、ズボンとブツの聞に差し込む。服の襟にはいつも小さな砥石をはさんで、こまめに研ぐのがナイフを持つものの流儀なんだコリャってすごいな彼を見るたび、そう思った。貧しいコサックの若者、コリャの夢は何だったの、だろう?大人になって試合でソ連に遠征するたびにビクトルはコリャの消息を聞いてまわった。だが、知っているという人はついに現れなかった。パシェカについては、語るほどのことはほとんどない。父親は細々と自転車修理業を営んでいた。大酒のみの無口な男で、ある日スパイの嫌疑をかけられ日本軍に連行されるとそのまま戻ってこなかったという。それから母親とどんな暮らしをしていたのかよく知らない。ふにゃふにゃした、おかまみたいなヤツだったな。いつも困ったような薄笑いをしてたね風のうわさで、アリョシカはソ連に戻り軍人になったと聞いた。ハシェカはどうなったのかわからない。コサック最後の少年2きょうじんりのナイフを贈ってくれた。それは刃渡り2センチほどのものだが、強靭で鋭利にできていた。コサックの男にとって、ナイフは欠かすことのできない道具であり、男の証明である。さやコリャが作ってくれたのは、ツカに糸が巻いであって鞘は皮だった。